女性の人生には就職や昇進といった仕事上の変化だけでなく結婚や出産、育児、家族の介護などさまざまなライフイベントが訪れます。それに伴い、働き方やキャリアに対する考え方が変わっていくのはごく自然なことです。

そこで大切になるのが、変化を恐れずその時々の自分に合ったキャリアを柔軟にデザインしていく視点を持つことと言えます。一本道ではなく、しなやかな曲線を描くようなイメージです。
かつては一つの会社に長く勤めることが理想とされた時代もありましたが、今はもっと多様な働き方が認められています。さまざまな道があり、ときには立ち止まって大学院で学び直したり、資格取得で専門性を深めたり、全く異なる分野に挑戦したり、働き方のペースを時短勤務やリモートワークに調整したりすることも可能です。こうした変化に柔軟に対応するには、どんな職場でも通用するコミュニケーション能力や問題解決能力、論理的思考力といったポータブルスキルを磨いておくことが、自分のキャリアを守る大きな助けになります。
また、一人で悩みを抱え込まないことも重要です。少し先を歩む社内の先輩や同じような境遇の友人、キャリアコンサルタントといった専門家など客観的な意見を聞ける相手を見つけておくと視野が広がり、新たな選択肢が見えてくるかもしれません。ロールモデルを一人に絞る必要はなく、さまざまな人の生き方から惹かれる部分を参考にすると良いでしょう。

人生100年時代と言われる現代において、人々のキャリアは非常に長くなりました。焦る必要はありません。その時々のライフステージを大切にしながら、自分らしいキャリアの物語を紡いでいく意識が、豊かな人生につながっていきます。